増資(資本金の額の増加)の登記手続き

増資とは、会社の資本金の額を増加させることを言います。
株式会社の資本金を増加(増資)するには、 
・新株発行(株主割当増資や第三者割当増資など) 
・準備金、剰余金の組み入れ
があり、このうち、もっとも一般的な方法が、新株発行(法律上は募集株式の発行といいます)です。 
なお、増資の効力が生じてから、2週間以内に本店所在地を管轄する法務局で変更登記申請を行う必要があります。

募集株式の割当て方法

・株主割当増資
→既存の株主に対して、その所有している持株数に応じて新株を割り当てる方法。

・第三者割当増資
株主でない第三者に対して新株を割り当てる方法。
※現在の株主に割り当てる場合でも持株割合以と異なる割合で割り当てるのであれば、第三者割当増資に該当します。

の2つの種類の割当て方法があります。 

手続きの流れ

株主割当増資

1 株主総会決議(新株の発行を決定):お客様
           ▼
2 株式に対して新株の募集事項を通知:お客様、当事務所
           ▼
3 株主から新株の申し込み:割り当てられた方
           ▼
4 出資の履行:割り当てられた方
           ▼
5 本店所在地を管轄している法務局へ登記申請:当事務所

第三者割当増資

1 株主総会決議(新株の発行、割当先を決定):お客様
           ▼
2 株式に対して新株の募集事項を通知:お客様、当事務所
           ▼
3 新株の申し込み:割り当てられた方
           ▼
4 割当て決議株主から新株の申し込み:割り当てられた方
           ▼
5 出資の履行:割り当てられた方
           ▼
6 本店所在地を管轄している法務局へ登記申請:当事務所

当事務所に依頼される際に必要書類となる書類等

・定款
・※株主総会議事録
・※取締役会議事録(取締役会に授権している場合)
・※募集株式の引き受けの申し込みを証する書面
・払い込みがあったことを証する書面
委任状(当事務所で作成いたします)
・※印鑑届書
・代表取締役の印鑑証明書
・会社代表印
・会社担当者様の身分証明書のコピー
※が付いているものは当事務所で作成します。

現物出資(DES含む)の場合には別途これらの書面が必要になります。
・検査役の調査報告書  
・弁護士等の証明書  
・有価証券の市場価格を証する書面  
・金銭債権につき記載された会計帳簿 
※現物出資する財産の総額が500万円を超えない場合は不要

注意事項

発行可能株式総数について

増資のため募集株式の発行をするときは、発行可能株式総数を超えて新株式を発行することはできないため、発行可能株式総数の枠内であることが必要です。 
特に特例有限会社は、発行可能株式総数=発行済株式総数と同数であることが多く、募集株式の発行と同時に発行可能株式総数の変更が必要になる場合があります。

DES(デット・エクイティ・スワップ、債務の株式化)

株式会社が増資をする場合、金銭以外の方法で出資する方法を「現物出資」といいます。 
この現物出資は、会社に対する貸付金で出資することも可能であり、このように金銭債務を株式化することをデット・エクイティ・スワップ(DES)といいます。 
DESにより、債務者である会社は、債務やその利子を返済する必要がなくなり、資本が増加するというメリットがあります。
但し、債権の額面ではなく、債権の時価でDESが行わるため、債権の時価と額面額とに差額がある場合は収益に計上されることになることがあり、DESを行う際には必ず税理士等に相談を頂いた上で手続きを行うことになります(当事務所でご紹介も可能です)。 

関連する登記

発行可能株式総数の変更登記 
詳しくはこちら

資本金の額の増加の登記に必要な税金(登録免許税)

資本金額の1000分の7(30,000円に満たない場合は30,000円)

費用・報酬の一例(依頼時に見積書を発行いたします。)

【増資の登記(現金出資)手続き】

報酬・費用合計 金141,000円~(1法人)
当事務所報酬1申請につき110,000円~
実費登記簿閲覧(1法人につき)400円
登記事項証明書の取得
(1通につき)
600円
登録免許税30,000円~
 
・現物出資の場合は55,000円の加算となります。 
・この他に郵送費、交通費、税理士等報酬(現物出資等の場合)などの実費が発生いたします。
・報酬には増資による変更登記申請書、OCR用紙(登記すべき事項)及び関係書類の作成・登記申請代理・完了後の謄本取得(1通)が含まれております。 
・その他必要な登記手続きがある場合は別途加算することになります。